山頂を目指すゲームなのに、
私が覚えているのは、途中のことばかりです。
海辺を歩いたこと。
誰かと話したこと。
なんとなく、もう一度その人に話しかけたこと。
『A Short Hike』は、
小さな島を自由に歩きながら、山頂を目指すゲームです。
でも、急いで登る必要はありません。
むしろこのゲームで好きだったのは、
山頂までの寄り道でした。
A Short Hikeってどんなゲーム?
『A Short Hike』は、小さな島を自由に歩きながら、山頂を目指すアドベンチャーゲームです。
島には、山道だけではなく、
海辺や森、小さな建物があって、いろいろな住人が暮らしています。
誰かのお願いを聞いたり、
釣りをしたり、
気になる場所まで飛んでみたり。
山頂という目的地はありますが、
どの道を通るかも、途中で何をするかも自由です。
そして、寄り道をしているうちに、
少しずつできることが増えていきます。
一本道を進むというより、
「ちょっとあっちへ行ってみよう」を繰り返すゲームでした。
急がなくても、ちゃんと進んでいる
山頂へ行くことが目的なのに、
『A Short Hike』はあまり急かしてきません。
道の途中で誰かに呼び止められたり、
気になる場所を見つけたり、
なんとなく海の方へ行ってみたり。
そうやって目的地から離れていても、
不思議と「道を間違えた」という感じがしません。
寄り道をした先で誰かと出会ったり、
新しくできることが増えたりして、
気づけばちゃんと前に進んでいます。
最短の道を選ばなくてもいい。
遠回りした時間も、ちゃんと旅の途中にある。
そんなところが、
このゲームの好きなところでした。
もう一度、話しかけてみる
島には、絵を描いている子がいます。
最初は、旅の途中で出会う住人のひとりでした。
でも、もう一度話しかけてみると、
少しずつその子の悩みが見えてきます。
絵を描くことにプレッシャーを感じて、
思うように納得できる絵が描けないこと。
クレアは、そんな彼女に何度も言葉をかけます。
その言葉がすごく力強いのに、押しつけがましくなくて。
絵を描く彼女を励ますクレアを見ていると、
こちらまで少しやさしい気持ちになりました。
私も絵を描くので、
「納得できるものをつくらなきゃ」と思ってしまう感覚は、
どこか自分のことのようにも感じました。
一度話したから、もう終わり。
ではなくて、
もう一度話しかけたから、その人のことを少し知ることができる。
『A Short Hike』には、
そんな小さな会話がいくつもあります。
山頂より、途中の景色を覚えている。
山頂を目指して歩き始めたはずなのに、
振り返ってみると、覚えているのは途中のことばかりです。
寄り道した海辺や、
なんとなく立ち止まった場所。
そして、もう一度話しかけた誰かのこと。
最短で山頂へ行っていたら、知らなかったこと。
『A Short Hike』には、
そんなものがたくさんありました。
目的地へ早く着くことだけが、
旅のすべてじゃない。
山頂より、
私は途中の景色を覚えています。
こんな夜に遊びたい
少し急ぎすぎたな、と思う夜に。
目的地を決めずに歩いて、
気になる人がいたら話しかけて、
もう一度、同じ人に話しかけてみる。
遠回りしても、
今日はそれでよかったと思える夜に。
『A Short Hike』は、
そんな夜に遊びたいゲームです。
動画でも遊んでいます
深呼吸したくなった夜に。|A Short Hike

