『Into the Dead: Our Darkest Days』を遊んだ感想|一人じゃない終末世界を歩きたい夜に。

終末世界のゲームでは、強い主人公が世界を救うことがあります。

でも『Into the Dead: Our Darkest Days』で生きているのは、もっと普通の人たちです。

最初に選べる生存者たちも、
夫婦だったり、父親と思春期の娘だったり、
それぞれにちゃんと生活の続きがあります。

私が選んだのは、バーのオーナーのセバスチャンと、そこで働いていたダイアン。

特別な力があるわけでもなく、ゾンビと戦うために生きてきたわけでもない。

昨日までは、たぶん普通に仕事をして、普通に暮らしていた二人です。

そんな二人が、ゾンビに支配された街で、

食べて、眠って、物資を探して、
なんとか今日を生き延びる。

誰を選ぶかで、見える終末世界も少し変わる。

私は、この「普通の人たちが生き残ろうとする終末世界」が好きでした。

Into the Dead: Our Darkest Daysってどんなゲーム?

『Into the Dead: Our Darkest Days』は、ゾンビパンデミックによって崩壊した街を舞台にした、横スクロールのシェルターサバイバルゲームです。

舞台は1980年、テキサス州の沿岸都市ウォルトン。

街はパンデミックによって外の世界から切り離され、生き残った人たちはシェルターを転々としながら、この街から脱出する方法を探しています。

プレイヤーがすることは、かなり生活に近いです。

街へ探索に出て物資を集める。

シェルターへ戻ったら、食事をする。

疲れている人を休ませる。

集めた材料で道具や設備を作る。

そしてまた、次の日を迎える。

ただし、同じ場所にずっと住み続けることはできません。

危険が近づく前に次のシェルターを探し、必要なものを抱えて移動していきます。

「ここを立派な家にしよう」というゲームではなく、

今日を過ごせる場所を作って、また次の場所へ向かう。

そんな終末世界です。

主人公が、どこにでもいそうな人たち

このゲームで好きなのが、生存者たちです。

私が遊んだときの二人は、バーのオーナーのセバスチャンと、アルバイトのダイアン。

ゾンビ映画なら、たまたま背景に映っていそうな二人かもしれません。

でも、このゲームではその二人が主人公です。

お腹が空く。

疲れる。

怖くなる。

時には意見が合わなくて喧嘩もする。

それでも一緒に食事をしたり、相手のことを気遣ったりしながら、生き延びていきます。

この二人を見ていると、

「最強の生存者を作る」

というより、

「この人たちを明日まで連れていきたい」

という気持ちになりました。

一人がいなくなっても、もう一人の世界は続く

このゲームには、ずっと気になっていることがあります。

二人で暮らしていても、必ず二人で最後までたどり着けるとは限りません。

もし一人がいなくなったら。

残った一人は、そのあとも食べて、眠って、探索へ行って、生きていかなければならない。

その仕組みがあるだけで、探索中の判断が少し重くなります。

今ここで物資を取りに行くべきなのか。

今日は引き返した方がいいのか。

危険を冒してでも、誰かを助けるのか。

サバイバルゲームなんだけど、数字だけを管理している感じがしない。

「誰を生かしたいのか」を考えるゲームでもある気がします。

1980年代のウォルトンを歩く

そして、このゲームは景色も好きです。

舞台は1980年代。

横スクロールで街を歩いていると、建物や看板、店の中に、かつて人が暮らしていた気配が残っています。

今は誰もいない場所にも、

ここで働いていた人がいて、
ここで買い物をしていた人がいて、
ここを毎日歩いていた人がいたんだろうな、

と思える。

横スクロールだからこそ、街を横から覗き込んでいるような感覚もあります。

奥へ奥へと進む3Dの終末世界とは少し違って、

ひとつの建物の中を、静かに覗いて歩いていく。

この感じが好きでした。

シェルターを引っ越す

最初に暮らしていたシェルターは、あまり居心地のいい場所ではありませんでした。

だから探索をしながら、新しいシェルターを探します。

安全そうな場所を見つけて、

中を確認して、

使えそうなものを集めて、

少しずつ生活できる場所にしていく。

そして、二人で引っ越す。

終末世界なのに、やっていることだけを見ると少し生活っぽいんです。

「次はここに住もう」

と決めて荷物を持って移動するだけなのに、ちょっと嬉しい。

ただ、その家も永遠には安全ではありません。

だからまたいつか、出ていかなければならない。

仮の家をつくりながら、少しずつ街を進んでいく。

この落ち着かなさも、このゲームの好きなところです。

静かだけど、ずっと緊張している

Into the Deadは、ずっと派手なことが起きているゲームではありません。

物資を探して、

静かに建物へ入って、

必要なものをバッグに詰める。

でも、探索へ出るたびに少し緊張します。

持って帰りたいものはたくさんあるのに、持てる量には限りがある。

もう少し奥まで調べたい。

でも今日は帰った方がいいかもしれない。

そして、この世界では失敗したからといって、何もなかったことにはできません。

だから、

何も起きなかった一日が、ちゃんと嬉しい。

終末世界で暮らすゲームとして、この感覚がすごく好きです。

まだ、この街から出られていない

そして私は、まだウォルトンから脱出できていません。

シェルターを移動して、

物資を集めて、

二人で今日を生き延びて。

少しずつ進んではいるけれど、まだ出口まではたどり着いていない。

でも、それでいい気もしています。

このゲームは、ゴールへ一直線に向かうというより、

その途中で、

誰と暮らしたのか。

どこを家にしたのか。

何を持って帰ることを諦めたのか。

そういう小さな出来事の方を覚えているゲームだから。

いつか、セバスチャンとダイアンをこの街から出してあげたい。

いつか、ちゃんと脱出したいです。

こんな夜に遊びたい

一人きりの終末世界ではなく、
誰かと一緒に生き延びたい夜。

少し緊張するゲームを、静かに遊びたい夜。

廃墟になった街を歩きながら、
そこに暮らしていた人たちのことを想像したい夜。

そして、

「今日も二人とも生きて帰ってきた」

というだけで、少し安心したい夜。

『Into the Dead: Our Darkest Days』は、そんな夜に遊びたくなるゲームでした。

動画でも遊んでいます

一人じゃない終末世界を歩きたい夜に。|Into the Dead: Our Darkest Days